清風園-深い味わいのお茶屋
西荻駅前のお茶屋「清風園」は1937年にできた。店長の高橋秀見さんが店の歴史をを語ってくれた。
「父が静岡の出身で、お茶屋で働いていから独立。そして、ここ(西荻窪)にお店を持ったんです。最初は静岡のお茶を売っていたんですが、そのうちにいろいろなところから売り込みがあり、その中から自分の好みのお茶を選んで売るようになりました。」
今も清風園の日本茶の70%は静岡茶。お茶の性格はお店によって違う、と高橋さんはおっしゃる。
「お店の人の好みで決めます。静岡は渋みが強い。」
最近は、お茶の蒸し時間を長くして渋みを飛ばした深蒸し茶が人気だが、高橋さんは渋味が好き。「深蒸しによって売れたお茶もあるけど、深蒸しにするとお茶がさっぱりすっきりしなくなる。まったりする。」
清風園は西荻の北商店街の発展と共にあった。現在もある、商店街が昭和初期のお祭りの時に出した太鼓に、清風園の名前と年号が刻まれている。荻窪八幡神社、警察の前の神社に、このあたりの町会のお神輿がおいてある。今、祭りは商店街が主に参加している。
「昔の商店街は、商店街のセールをしたり、みんなで慰安旅行に行ったりしていました。バスを借り切って海水浴などの慰安旅行に行ったりしました。でも、80年代にはほとんどなくなりました。ディズニーランドが出来る前ぐらいに。それまでは地域で行っていましたが、それ以降は家族単位で行くようになりました。」
近年、 新しいお店は商店街の組織に参加しないところが多い。
「いちおう声はかけるんですが、会費を集めたりするので、あまり参加しないですね。参加しても何か恩恵があるわけでもないので、参加しないのでしょう。今、商店街の関係は薄くなっていて、お祭りぐらいでしかつながりがないですね。」
適温で丁寧に淹れられた日本茶をいただきながら、こんな話をうかがった。(ファーラー、木村、6月6日2015年)